●平成13年植物歳時記:6月 ヤマボウシ(ミズキ科) Benthamidia japonica (Sieb. et Zucc.) Hara ・山に普通なミズキ科の落葉高木で、10mくらいの大きさにまで育つ。 ・葉は対生で,葉の縁に鋸状の細かい切れ目はない(このような葉の形状を全縁という)。 ・6-7月に,短枝の先に長さ5-10cmの球状に集合した花(頭状花序)をつくり、その基部には白色の4枚の大きい葉のようなもの(総苞)がある。花そのものは淡い黄色で小さな4枚の花びらをもつ。果実は合生してイチゴのような赤い実ができ熟すと食べられる。 ・庭木や街路樹としてよくみかけるアメリカハナミズキもこの仲間である。 ガマ(ガマ科) Typha latifolia L. ・因幡のシロウサギ伝説にもでてくるガマは、日本各地の池に岸辺や湿地にごく普通にみられるガマ科の多年生植物である。 ・地下茎が泥の中を縦横に這っているので、生えているところではまとまってみられることが多い。 ・6〜8月に茎の先に穂状の花序がつく。下部は雌の花のかたまりであり、上部に雄の花のかたまりが付く。 ・ガマの仲間は、日本では他にコガマ,ヒメガマが認められる。ガマの花粉は4個が一塊りになるのに対し,コガマ,ヒメガマでは塊になることはない。この花粉は蒲黄といって止血や傷薬として用いられる。シロウサギもこれによって傷が癒えたのであろう。 クマノミズキ(ミズキ科) Swida macrophylla (Wall.) Sojak ・山地に生える落葉高木で高さ10m、胸高直径30cmほどに達する。 ・6月末ごろには、遠方から見ると手のひらを幾重にも水平に重ねたように白い花が密生して枝に付いている姿を見ることができる。 ・近縁のミズキは葉が互生するが、クマノミズキは対生することで区別できる。材は白いので、こけしや木地ものなどに利用される。 ・これらのミズキ類の花が終わると、野山にはしばらく目立つ花のない時期が訪れる。 アカメガシワ(トウダイグサ科) Mallotus japonicus (Thunb.) Muell.Arg. ・東北地方中部以南の本州、四国、九州、沖縄に分布するトウダイグサ科の落葉高木で、雌雄異株である。 ・樹高は10m、太いものでは直径30cmに達することがある。芽や新葉が赤く、古くはこの大きな葉に食物をのせたので、この名がある。 ・痩せた土地にも耐えて生活することができるので、空き地や道路の法面に真っ先に侵入・定着する樹木のひとつである。材は比較的堅く、以前は、建築、薪炭に利用されていた。現在は、見向きもされず、かえって道路や植林地管理のやっかいものである。 ↓5月初め頃 ↓6月中旬 |
---|