4月7・8日は新入生一泊研修でした。
里やソメイヨシノが満開でしたが、海抜930mほどの鏡ヶ成はまだたくさんの雪が積もっていました。
途中の道路沿いでは、樹木の根本の雪が解け、丸い模様となっていました。春になると暖かい雨が降り、樹木の枝を伝って根元に流れ、高木の根元だけが他の場所よりも早く雪解けとなる。樹木の根元には落ち葉も溜まりにくいこともあって、コケ植物が生育する環境としては絶好の場所となる。この時期、高木の株もとに生育するコケ植物はいち早く日光を浴び、胞子体を形成する準備を整えている。
烏ヶ山は、その山容が翼を広げたカラスのようであるととの意味だそうである。この時期、急斜面の雪は崩落し、岩肌が出てブチ色のカラスとなっている。特に傾斜が急な山頂付近の南斜面は早くから雪がなくなっている。この地域の植生は持続的に斜面崩壊があることもあり、低木や草本の生育する植生となっている。山頂には中部地方以北の亜高山帯などに生育するミヤマハンノキが生育しており、氷河時代の生き残り植物とされている。傾斜が緩やかになった山腹斜面にはブナ林があり、遠目にも大きな樹木が生育していることがわかる。
鏡ヶ成は海抜930mほど。象山の標高は1085.3mであるので、山頂までの標高差は150mほどしかない。夏や秋には絶好のハイキングコースなのだが、4月始めのオリエンテーション時には残雪がある。ハイキング開始の時間に1時間ほど遅れて鏡ヶ成に到着してみると、高原には誰もいない。しかし、どこからかキャーという声だけは聞こえてきた。象山を見ると、尾根から点々と学生が降りてくるのが見えた。積雪の中、スニーカーで雪山を登ったのである。
遠目にも、転んでいる学生がたくさんいるのがわかる。転ぶのを楽しんでいる学生もいる。滑落しないかと心配で見ていたが、それほどでもなく、靴やズボンが濡れはしたものの、結構楽しんだようである。