10月3日・4日 山口県へ

環境省の植生図改定作業に伴う、中国四国地区の委員会が開催されました。
今回は、現地視察を中心に行い、植生を観察するとともに、凡例の検討などを行いました。
総勢26人、4台の車に分譲しての一泊のエクスカーション
充実した内容でした。



初日は徳山駅から菊川温泉までの間。この画像は調査地である松岳山への途中の風景。
毎年お彼岸の頃になるとヒガンバナが咲き始める。
今年のような冷夏でも、土の中で着実にお彼岸の到来を知って花を出してくる。
畦道に咲く一面のヒガンバナは、モグラ避けの効果があるそうで、実利的な面と美しさが両立している。




狗留孫山のアカガシ林
面白い名前の山、くるそんやまと読むそうだ。
山としては、本州の最西端の標高の高い山のようである。
この地域では、海抜500m前後より上はアカガシが優占する森林が発達する。
雨量が結構多いことも関連しているだろう。
東シナ海を渡ってきた空気がこの山に当たり、雨もたくさん降るだろうし、空中湿度も高いであろう。
シダ植物が多いのも、湿度が高いためであろう。




日本海と東シナ海の境界になるのだろうか、角島の海岸は面白かった。
風力発電が行われていることでもわかるように、この地域では強い風が吹く。
海岸の植物は強い風によって刈り込まれたようになっている。
上の画像で、緑の色が濃い部分はハマヒサカキである。
高さ40cmほどで、枝はすべて風上の斜面上部の方向に伸びている。




もともと、玄武岩の岩石海岸なのであるが、真っ白い砂浜もあった。
どこからか砂を持ってきて創った砂浜であるという指摘もあった。
なるほど、言われてみると石英のそろった砂粒であり、この地域の黒い玄武岩とはそぐわない。

詳細は不明であるが、見事な砂丘植生が発達している。
内陸側にはハマゴウの群落が広がり、コウボウシバやコウボウムギの群落が前面に発達している。

もどる / HPにもどる