ネムロブシダマ  Lonicera chrysantha Turcz. var. crassipes Nakai
 ネムロブシダマは日本の寒冷な地方に見られる落葉低木。北海道東部の根室地方に多く、南千島、樺太、朝鮮、中国北部、アムール地方に分布している。
 高さ2m程度であまり高くはならない。若枝は茶褐色で毛があるが、数年経ると黒色になり毛は落ちる。枝は中空でよく分枝する。葉は対生し、鋸歯はなく両面に軟毛がある。葉の表面はやや窪むように見え、長さ4-10cm。春に2つで1組の白色の花をつけ、小さな果実が夏の終わりに赤く熟する。
 和名は"根室附子玉"の意味で、根室地方に産してブシ(トリカブト)の様に有毒であり、玉のような赤い球形の果実をつけることからこの名がついた。 暖温帯上部に分布するイボタヒョウタンボク、岩手県の山地に分布するキタカミヒョウタンボクと形態が良く似ており、近い仲間と考えられている。
ネムロブシダマネムロブシダマの生育地
ネムロブシダマの葉の表ネムロブシダマの葉の裏

文章・画像:太田 謙
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