修論について

ウェットランドに生育する植物100種の休眠・発芽特性
 ー酸素濃度・温度による反応ー


 湿原などのウェットランドに生育する植物はどのような環境条件でよく発芽するのでしょうか? 
過湿な場所に種を播く植物は、水の多い場所でよく芽生えるに違いありません。しかしそうではないのかもしれないのです。
 湿原などの過湿な場所に生育する植物の種子は、泥の中・水底・水面などの異なった酸素濃度の場所に散布される可能性があります。酸素濃度の低い泥の中・水の中では発芽せず、地表面で発芽するのかもしれません。
 このような疑問を解明するために研究を行っています。

 湿原や沼沢地といったウェットランドに生育する植物の種子をできるだけたくさん採取し、どのような環境でよく発芽するのかを検証しています。
 湿原などの水辺環境を創造・再生するためには、そのような場所に生育する植物の性質を知ることが大切です。その中でも発芽特性を解明することはとても重要なことです。
 そのためにはまず種子に休眠性があるかどうかを調べる必要があります。そこで休眠打破の条件や発芽に適した温度条件を解明するために、段階温度法(Washitani 1987)による実験を行っています。また酸素濃度を調節し、発芽に及ぼす酸素濃度の影響を検証しています。