その後の花芽の動き
左:3月5日(動き始め) 右:3月8日(けっこう時間がかかる)
左:3月11日(花弁がのぞき始めた) 右:3月12日(開き始めた)
3月13日の花
3月13日(開花の報により、マスコミも取り上げる)
3月15日(上部の枝は、かなり花が開いてきました)
3月15日
しかし、枝によってはほとんど動いていないものもあります。
枝による違いが大きいようです。
ビニール袋がかかっていた枝が、遅いようで
部分的な高温が、休眠打破を遅らしているようです。
卒業式の前日(3月19日)
昼過ぎから温室の撤去作業が始まりました。
あいにくの春一番。強風でサクラの花びらが飛んでいきます。
せっかくのサクラ、花びらの1枚でも惜しい気持ちでした。
上部の枝はどうにか咲きそろった状態です。
卒業式(3月20日)
足場も午前中に撤去され、サクラが姿を現しました。
部分的には満開。まだつぼみの枝もあるまだら咲き。
しかし、どうにか格好はつきました。
関係者の皆さんも記念撮影。卒業生の皆さんも記念撮影です。
まだ咲いています(3月28日)
上のほうの枝は散り始め、下の枝は満開になりました。
しかし、まだつぼみの枝もあるのです・・・・
途中で予想したとおり、2週間以上も次々と咲く、
まだら咲きになってしまいました。
卒業式にも、入学式にも同じ木が花を咲かせることになってしまいました。
加温しなかったサクラは、左の画像の状態で、加温の効果は明瞭でした。
ちなみに、岡山市の開花は3月29日でした。
温室の中のオオムラサキは開花直前になりました。
例年の開花は4月の終わり頃ですから、
こちらも20日ほど早い開花になりそうです。
サクラの花は、4月4日の段階では葉桜になりつつありますが、まだ花は咲き残っています。開花し始めたのが3月12日ですから、20日以上も1本の木が開花し続けたことになります。なぜこのようになったのか? どうやら、ビニール袋をつけたことが原因のようです。次第に状況がわかってきたのですが、最初は応用数学科の学生たちが、「大学祭にサクラを咲かそう!」と、サクラの枝にビニール袋をかけました。袋はかけやすい枝にかぶせられました。脚立の上から手がたう低い枝が中心でした。この、ビニール袋をかけられた枝の花が咲くのが遅れたわけです。このために、普通の咲き方とはことなる、上の枝からの開花になりました。
ビニール袋がかけられた枝は、休眠が打破されていなかったようです。サクラは、夏につぼみを作りますが、つぼみは十分に低温を経験しないと開花するために動き始めません。したがって、低温を経験していない大学祭の時点では、加温しても開花しなかったわけです。十分に低温を経験していない場合には、植物が冬が過ぎ去ったことを認知していないので、加温しても簡単には開花せず、十二分に加温して初めて開花することが知られています。植物としては、秋の小春日和か、本格的な春の到来なのか、まよってしまうのでしょう。
ビニール袋をかぶせることによって、どのような効果があったのでしょうか。ビニール袋をかけるだけでは、夜はやはり外気温と同様な温度になるでしょう。1月、2月の低温のときには、十分に低温を経験しているはずです。しかし、昼間に日光があたると、ビニール袋の中は、結構気温が上がるのではないかと思います。天気の良い昼間は結構温度が上がり、夜は冷え込むという、大変な環境の中ですごしてきたといえましょう。このような枝の花芽はちゃんとした季節の判断ができず、休眠が十分に打破されなかったために開花がおくれたのだと考えることができます。ビニール袋をかけておくと、ヒラドツツジの咲く頃にサクラを咲かせることができるかもしれませんね。