塩滝の蛇紋岩地帯植生
位置
 岡山県真庭市落合町関(大野呂山東) 標高250〜350m 面積約20ha

内容
 真庭市落合町関に、俗に塩滝とよばれる蛇紋岩の礫岩でできている山がある。礫岩が露出して屏風岩、塩滝など特異な地形が見られる。いったいはアカマツの二次林が多く、スギ、ヒノキの植林地もある。礫岩の露出地の植物は矮形の傾向のものが多い。亜高木層にアカマツ、アテツマンサク、キンキマメザクラ、コナラなど、下層にアテツマンサク、コナラ、イワツクバネウツギ、バイカウツギ、キビシモツケ、キンキマメザクラ、ヒメウツギ、コウヤボウキ、ナガバコウヤボウキ、コバノトネリコ、コゴメウツギ、モチツツジ、クモノスシダ、ツルデンダ、ビロードシダなどが生育し、蛇紋岩地帯特有の群落である。

保護の現状
 塩滝地域は「塩滝の礫岩」として昭和34年9月15日、岡山県天然記念物に指定。さらに岡山県自然保護条例にもとづき、昭和48年11月29日自然環境保全地域に指定。

岡山県(1978) 第2回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書から引用
地名の由来となった塩滝谷にはコケがいっぱい
蛇紋岩の礫岩は色が黒く、異様な感じ
滝のそばに垂れ下がるイネ科の植物はコウヤザサと思われる
これより下流の渓谷はコケがいっぱい


尾根筋は礫岩の岩峰となっている
樹高の低いアカマツ林が発達しており、蛇紋岩地特有の植生が発達している。

礫岩の露頭コケの生育する露頭
蛇紋岩は色が濃く、黒色にみえる。
所々にあやしげな? コケが生育している。
高等植物には珍しい植物が多いが、コケもそうであろうか?
 岡山に着任してまもなく、この塩滝を訪れる機会があった。もともと森林の植物は不案内であったのだが、この地域の植物にはなじみのないものがあり、困惑した記憶がある。その後数度訪れたが、植物の同定にはいまだ自信がない。植生調査データから、この地域の植物相をリストアップしてみよう。

アカマツ、アテツマンサク、コナラ、キブシ、キンキマメザクラ、シラキ、ウワミズザクラ、ヒノキ、コバノトネリコ、ヤマトレンギョウ、ヤマツツジ、ヤマブキ、ヤマコウバシ、カヤ、ツリバナ、コゴメウツギ、イワツクバネウツギ、キビシモツケ、トキワイカリソウ、クモノスシダ、ツルデンダ、イワタバコ、コウヤボウキ、ナガバコウヤボウキ、ノガリヤス、ススキ、ケタガネソウ、ネザサ、ゲンカイツツジ、ビロードシダ、オオバノイノモトソウ、イワヒバ、コバノガマズミ、ヒメウツギ、ナガバモミジイチゴ、テイカカズラ、イヌツゲ、ヤマシロギク、シラカシ、シケシダ、ダンコウバイ、ヤマコウバシ、ワラビ、ウツボグサ、ベニシダ、バイカウツギ・・・・などである。

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