
エノコログサ Setaria viridis (L.) Beauv.
イネ科 Gramineae
エノコログサは山地から平野まで幅広く分布する1年草である.幼少のころ,「ネコジャラシ」と呼んで遊んだ覚えがある方もいるだろう.乾燥にも強く,日当たりのよい空き地などに一面に生育しているのを見かけることがある.
和名「エノコログサ(犬ころ草)」で犬の尻尾に似ていることから.確かに,日本を代表する柴犬や秋田犬の尻尾にそっくりである.和名を付けられた頃,現在のように洋犬が多ければまた違った名前になったかもしれない.
普通に「エノコログサ」と言えば緑色の植物体を思い出すが,まれに紫色になっている個体がある.下の標本写真の左がそれにあたるが,現在ではこのような個体は別種として扱うことはしていない.1つの突然変異とされている.
日本には北海道〜沖縄地方まで日本全国に分布している.生存・繁殖能力が格段に優れていることがうかがえる.


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