
コチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (Arduino) Roemer et Schult. var japonicus (Steud.) Koidz.
イネ科 Gramineae
コチヂミザサは人里近くの山地の林床に多い1年草である.ケチヂミザサ同様,普通に見られる種である.植物体の高さは大きいものでもひざ程度である.葉は葉縁にゆるい縮みが規則的にあり,緑色が鮮やかで美しい模様に見える.夏になると花序を伸ばし,まばらに小穂をつける.小穂には長いノギがあり,痩果(果実)が完熟すると粘液を分泌する.そこに人間や動物が歩くとどんどんくっついていき,種子が遠くに運ばれていく.この粘液はべたべたしており,ズボンにつくとなかなか取れない.痩果をとってもべたべたは残る.また,ケチヂミザサとは毛が少ないまたはまったくないことで区別される.根茎をのばして痩果だけでなく,栄養繁殖も盛んにおこなう.
日本には北海道〜本州,四国,九州に普通に見られる.


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