
マルバベニシダ Dryopteris fuscipes C. Chr.
オシダ科 Aspidiaceae
マルバベニシダは山地〜里山で見られる常緑性のシダである。植物体は20〜30cm、15〜20対の葉身がある。葉身とは葉1枚を指すこともあるが、対になってある枝全体を指す。葉を広げると植物体の幅は15〜30cmとなる。羽片と呼ばれる葉の最小単位の部分は長さ2〜4cm、先端は丸みを帯びている。葉の裏面には中肋(ちゅうろく:中央の筋)にそって胞子嚢がついている。葉軸と根元には鱗片が密生している。鱗片は茶褐色でめくれている。根茎は塊状となり、標本にするときに乾燥に時間が掛かり手間取ることがある。葉の切れ込みの変異によりいくつかの種が報告されているが、これらをシノニム(同物異名)として扱うという説もある。
日本には北海道をのぞく、本州(北陸地方以南)〜四国、九州地方の暖かい地域に分布している。


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