
ミヤマウグイスカグラ Lonicera gracilipes Miq. var. glandulosa Maxim.
スイカズラ科 Caprifoliaceae
ミヤマウグイスカグラは山地に生える落葉性の低木である.本種は枝や葉に蜜腺が多いことでヤマウグイスカグラ(Lonicera gracilipes Miq.)の変種として扱われている.ヤマウグイスカグラには本種の他,無毛のウグイスカグラ(var. glabra Miq.)も報告されている.植物体は高さ3〜4m程度になる.葉は楕円形〜ひし形,長さ5〜10cm,先端が急に尖り,両面に毛がある.また,葉の裏は白い.春になると下向きに紅色の花を咲かせる.この花の形は理科の実験に用いられる「ろうと」に似ていることから「漏斗形」の花とあらわされる.柱頭がおしべよりも長い.秋になると赤い実(液果)をつけ,長さ1〜1.5cm,まばらに毛がある.この実は液果という汁気をもった実で食べることができる.この実を狙って小鳥が集まる.この様子から和名は付けられている.和名「ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)」は「カズラ」と間違えることがある.ところが,和名の漢字をみると「カズラ」ではなく「カグラ(神楽)」と表されることを知れば今後間違えることはない.
日本には北海道を除く,本州(東北,北陸,中国地方の日本海側),四国に分布する.
実が美しく,食用になることから庭木として利用されることが多い.


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