
ヌカキビ Panicum bisulcatum Thunb.
イネ科 Gramineae
ヌカキビは川べりや湖畔などで見られる多年草である.植物体は高さ50-100mにもなるが,細くて柔らかく,よく枝分かれする.葉は線形,長さ10-20cm,薄質,柄はなく,葉舌は無毛だが葉鞘の片側には毛がある.花序は円錐花序で幅10-30cm,大きくひろがるが,枝は細い.花序が開き始めた頃はススキのように花序全体が一方に垂れ下がっているが,その後,枝を伸ばし大きく広がっていく.花序の先端についた小穂が熟し始めるとその部分のみ垂れ下がっていく.小穂は楕円形,長さ1-2mm,完熟すると赤褐色となる.近縁種にオオクサキビ(Panicum dichotomiflorum Michx.)がある.オオクサキビとは植物体が柔らかいこと,小穂が小さいこと(オオクサキビは2.5mm)で区別できる.
日本には北海道,本州,四国,九州,琉球まで幅広く分布している.


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