タラノキ Aralia elata (Miq.) Seemann (ウコギ科 タラノキ属
 タラノキは高さ5mほどになる落葉の高木。日本全国、中国・樺太・東シベリアに分布する。全体に鋭いとげがあるのが特徴であり、かなり大きく成長しても幹の棘は残っている。伐採跡などで急速に成長するが、20年を過ぎると次第に樹勢が衰え、やがて枯れてしまう。伐採跡地では、新たにもたらされた種子や土中に埋蔵されていた種子が休眠から覚めて成長する場合、生育していたタラノキの根から再生する場合などがある。右下の写真は、伐採してから7ヶ月めの状態である。伐採前にはタラノキは生育していなかったので、種子からの再生とおもわれるが、実に旺盛な生長である。
 タラノキはあまり枝分かれせず、茎の先端に長さ1m近くになる大きな2回羽状複葉の葉をつける。花は8月頃に咲き、林縁などで黄緑色の花を咲かせて目立つ。果実は秋に黒紫色に熟す。

 タラノキの新芽(タラの芽)は、春の山菜の王者であり、天ぷらや白和えなどで食べられている。最近では棘が少ないもの{メダラ(f. canescens)}を栽培したものが店頭に並ぶようになった。季節はずれのタラの芽は、芽のついた幹の先端を30cmほど切り取り、保冷庫に入れて保存しておいたものを必要なときにお湯に差して発芽させたものである。


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