アポイカンバ  Betula apoiensis Nakai  (カバノキ科 カバノキ属
 アポイカンバは北海道日高地方のアポイ岳に特産するカバノキの1種。低木で葉が小さいのが特徴であり、尾根筋にハイマツと混生し、所によって低木林を成す。なぜアポイ岳に特産するのかはまだよく分かっていないが、氷河時代に分布したものが後氷期に分布を縮小し、アポイ岳に生き残ったものと考えられ、独立の種、またはダケカンバとヤチカンバの雑種とする見解がある。
 葉は長さ2-4cm、幅1-3cmと小さく、縁には鋸歯があり、葉脈は6対程度。枝は白い皮目がまばらにあり、当年枝は褐色の毛が残り、若枝は栗色、数年を経過すると白っぽくなる。よく分枝して葉をやや密に着ける。幹は直立せず主幹がはっきりしない。高さはせいぜい50cmで、斜面を這うように広がり、やや密生する。
文章・画像:太田 謙
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