ノグルミ Platycarya strobelaceae (クルミ科 ノグルミ属)



 ノグルミは本州の東海道以西、四国、九州に分布する落葉高木。台湾、朝鮮、中国にも分布する。葉は大きく、5〜8対の小葉と頂小葉からなる羽状複葉であり、クルミの葉であるが、オニグルミにような食べられる種子はできない。そのような意味から、ノグルミの名が付いたのであろう。ノグルミは陽樹であり、生育に強い日照と水分を必要とするので、斜面が崩壊した跡地や急傾斜地、時折伐採される斜面下部などに生育することが多い。
 雌雄同株であり、初夏に枝先に雄花穂と雌花穂を形成する。左下画像の中心部に見える細いものが雌花穂であり、周辺の太いものが雄花穂である。雌花穂は松かさ状になって枝先に長く残り、多くは新芽が出る頃から新しい花が開花した後に落下する。松かさ状の花序は鋭い鱗片からなっており、これが開いた状態から、キツネのカミスキとかサルのクシなどと呼ばれる場合もある。種子は風に乗って散布される。
ノグルミノグルミ
ノグルミノグルミ

1.ノグルミ 2.ノグルミの花

種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる