イヌタデ Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. (タデ科 イヌタデ属) |
イヌタデは北海道から琉球にまで普通に見られる一年草。千島・樺太・朝鮮・中国・ヒマラヤなどにも広く分布する。やや湿った半日陰などに多く、道端や原野・耕作放棄地などに生育する。花期は6月〜11月と長く、いつも咲いている印象がある。花が枯れて茶色になったものがあるわけで無し、種子が稔って落ちている様子も無い。花穂を見ると、いつも開花しているものがあるように思える。花弁のように見えるものは、実は顎であり花弁はない。顎が紅色であり、つぼみの時も花が咲き終わった状態でも紅色に見えるわけである。果実が稔るとほとんど茶色にならずに落下するが、次々と新しい花が形成されるので、花序の形そのものは保たれている。 アカマンマと呼ぶ地方も多く、この花をむしりとって器に盛り、赤飯に見立ててままごとに使っていた。 |