カマツカ Pourthiaea villosa var. laevis (バラ科 カマツカ属
 カマツカは北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する落葉低木。各地の二次林、特にアカマツ林などに普通な落葉低木であったが、森林の発達によって次第に少なくなりつつある。高さ5m、直径10cmほどになるというが、普通はこれほど大きくはならない。伐採されると根際から萌芽し、シュートを形成して立ち上がって回復する。材は粘り強いので鎌や鎚の柄にされるけれどもあまり長い材を得ることができず、長くても1m程ではないかと思う。このようなことから、鎌程度の柄には良い材料であるとの意味で、カマツカ(鎌柄)と呼ばれているものと思う。この名前の他、ウシコロシという和名がある。これは、牛の鼻ぐり(鼻環)に使うことから付いた名前であり、これも材が粘り強いことから付いたものである。
 カマツカの枝は普通に長く伸びて葉が互生している「長枝」と毎年ほとんど伸びず、葉が3枚輪生状に付いている「短枝」が形成される。光が十分当たる場所では枝を伸ばさず、毎年ほぼ同じ場所に葉を付けるが、勢いのよい枝では葉はまばらに付いており、枝は短期間に長く伸びる。新しい光環境を求めるために形成される枝である。
 このような短枝と長枝を付けるためにイメージが大きく異なり、初心者にはわかりにくい植物の1つとなっている。
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