ヤブヘビイチゴ Duchesnea indica (バラ科 ヘビイチゴ属
 ヤブヘビイチゴは本州の関東以西、四国、九州、南西諸島、東南アジアに分布する多年草。山沿いの畦道や、森林との境界域などに生育することが多く、半日陰のやや湿った環境を好むようである。
4月頃に花を咲かせ、5月から6月にかけ、赤いイチゴを稔らせる。地表面に伸びる匍匐茎で繁殖するためか、果実の形がイチゴとしては食欲をそそらないためか、生育地の状況も合わせてヤブヘビイチゴと名付けられている。果実は有毒ではないが、食べてもスカスカとして味はほとんど無い。イチゴ状の果実は、丸く大きな果床の上に点々と小さな赤い突起状の物があり、これが本来の種子を内蔵した果実である。この部分には果肉がないので痩果(そうか)という。果実ではなく、果実を乗せた台を果実状に大きく発達させ、全体として果実らしくなっているわけである。
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