ヤマザクラ Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz  (バラ科 サクラ属
 ヤマザクラは本州・四国・九州に分布する落葉高木。幹の直径は1mを越えるまで生長し、サクラの仲間では巨樹となり、長寿な種である。春、葉が展葉すると同時に開花し、葉桜となる。花の艶やかなソメイヨシノに比べ風雅のあるサクラであり、好む人も多い。若葉は赤味を帯び、樹皮も紫褐色でサクラらしい。
 日照条件のよい場所に生育する。土壌の浅い岩礫地や尾根筋に生育していることが多いのも、日照条件と関連しているものと思われる。現在の森林では高木となったものを見ることはできるが、芽生えや低木層に位置する稚樹はほとんど見ることができない。一方、適潤地では急速な生長をみせ、短い期間で大きく生長する。元来は岩がちの谷筋などに生育する種ではないかと思う。
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