ザイフリボク Amelanchier asiatica (バラ科 ザイフリボク属
 ザイフリボクは岩手県以西の本州、四国、九州に生育する落葉の小高木。春、葉の展開と同時に白い花を咲かせる。花弁は細長く、采配の様であるとの意味から、采振り木の名前が付いた。シデザクラという異名もある。シデ(四手)とは、神社などで縄やサカキに白い和紙を切ったものを折ってぶら下げるものであり、これも白くて細長い花弁からのイメージである。若葉は白毛が密生するが、次第に毛が落ちて無毛となる。葉の縁には小さなきょ歯があり、赤味を帯びる傾向があり、端正である。果実は青紫色に熟し、食べられる。樹皮は特徴があり、わかりやすい。
 ザイフリボクはあまり高くならない樹木であり、林縁や尾根筋、伐採跡等に生育する。鳥散布であり、林の中にも芽生えはみることができる。かわいい端正な卵形の葉を持つ幼い苗が芽生えていると、ザイフリボクを疑ってみよう。岩場に生育しているものは小さくて灌木状であるが、肥沃な場所に生育したものでは初期生長は比較的早いようで、当初、アカマツなどの稚樹から抜きんでて生育して開花結実するが、あまり樹高は高くなることができないので、やがて被陰されてしまう。花崗岩地などの痩せ山に多い。
ザイフリボクの開花ザイフリボクの開花
ザイフリボクの新葉ザイフリボクの樹皮

1.ザイフリボク 2. 3. 4.果実と冬芽


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