アキニレ  Ulmus parvifolia Jacq.  (ニレ科 ニレ属
 アキニレは本州中部以西に分布する落葉高木。葉は落葉樹にしては小さくて堅い。乾燥に対する適応であると考えられる。果実には翼があり、風によって種子を散布する。樹皮はまだら状に剥がれ、特徴的である。刈り込みにも良く耐え、しばしば盆栽にも仕立てられている。
 石灰岩地域の岩隙や痩せ尾根、河原などに生育しており、理大の中にもたくさん生育している。尾根と河原の、一見極端に異なると思える生育立地の共通点の1つは競合する植物の少なさである。他の植物が生育していない立地に風散布によっていち早く侵入する。もう一つの共通点は、乾燥である。河原は湿潤であると思いがちであるが、実際には砂礫土壌であるので保水力が低く、根が地中深く伸びるまでは乾燥した立地である。本種は、柔らかい根を発達させ、根への資源配分は大きい。この良く発達した根によって乾燥したやせ地にも定着が可能なのであろう。
アキニレ9月に花を咲かせる
花の拡大アキニレの葉

1.アキニレ 2. 3.種子 4.冬芽 5.樹皮 6.根? 7.短枝?

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