スイラン Hololeion krameri (キク科 スイラン属
 スイランの花は黄色で直径3〜3.5cm。すべて舌状花であり、花弁の先端は5つに分かれている。総苞は長い内片と短い外片からなり、披針形。痩果(そうか)は長さ7.5〜9mmで、冠毛は長さ6mmほど。種子の大きさの割には冠毛は太くて短い。あまり遠くに種子を散布する気はないらしい。もっとも、遠くに飛ばしても湿原がそんなにあるわけではなく、もっぱら湿原内に散布するつもりであろう。
 夏には様様な花が咲いていた湿原も、10月になると咲いているのはスイランとミミカキグサ類程度になってしまう。そんな状況の中、スイランの花にはチョウチョの仲間やアブなど、結構虫たちがやってくる。晩秋に花を咲かせることの役得であろう。そのような訪花昆虫をターゲットにハナグモやハエトリグモなども花の下で待ち構えている。冬が来る前の厳しい戦いである。


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