キリ Paulownia tomentosa Steudel (ゴマノハグサ科 キリ属) |
キリは日本各地に栽培される落葉高木で樹高10mに達する。葉は大型で稚樹時には5浅裂、生長するにつれて全縁となる。幼樹の葉は大きく、直径1m近くになることもあり、生長するにしたがって小さくなる。時折、市民から「お化けのような大きな葉の植物が生えてきた、これは突然変異か?」などとの問い合わせがあるのも、稚樹のキリであることが多い。葉の裏面には星状毛が多く、粘り着くような感覚がある。花は5月に咲き、秋から冬にかけて翼のある種子をとばす。 材は比重0.3と非常に軽く、国産材では最も軽い。箪笥の材料として、あるいは琴などに利用される。成長も早く、女の子が生まれるとキリを数本植えておき、嫁入りのときには箪笥を作って持たせるなどの風習もあった。 |