クマツヅラ Verbena officinalis (クマツヅラ科 クマツヅラ属) |
クマツヅラは本州、四国、九州、西南諸島に分布する多年生草本。高さ30〜80センチになり、路傍や荒れ地、原野などに生育する。横走する太い地下茎をもち、種子のほかこの地下茎でも繁殖が可能らしい。茎の断面は四角形、上部で枝を分け、羽状に3〜5裂する葉を対生する。花期は6〜9月で、茎の上部に穂状花序を出し、淡紅紫色の花を多数咲かせる。漢名は馬鞭草(バベンソウ、学名の属名はバーベナ)で、長く伸びた花穂を鞭に見たてことから。古くは、はれ物などの薬に用いられたそうである。野外での姿を見た後で、漢方薬の原料になっていることや、荒れ地に生えると言う性質を聞くと、「実は薬草として持ち込まれた帰化植物だったりして...。」などと思ってしまう。 |
(画像・文章:森定 伸) |