地域情報生態学レポートについて
(提出期限2月10日)

テーマ:岡山理科大学の環境評価

 レポートについて、質問が多数でており、対応が困難なので以下の内容を提示いたします。なお、このレポートをもって成績評価を行いますので、それなりのレベルを求めます。レポートによる評価ですが、不可もあり得ることをご承知下さい。


【説明】
 いわゆる「環境アセスメントは Impact asessment:開発などの人為的インパクトに対するアセスメントであるが、今回のレポートテーマは、岡山理科大学の環境を評価しようとするものである。

 1つのまとまった地域における環境評価は、地域の環境管理および将来における環境改善、再開発などに重要な情報を与えることになる。ここで、「環境」の定義が必要となる。環境アセスメントで調査対象となっている項目は、実に多岐にわたっており、自然に関する項目のみならず、社会活動や歴史、人口動態なども対象となっている。しかしながら、直接的に人間生活に影響を与える騒音・大気や水質などの生活環境の他、経済や社会、文化などの項目は、単なる記載に留まっている場合がほとんどである。

 アセス法の施行にともない、生態系評価などとともに、「豊かな自然との触れ合い活動の場」、「環境への負荷」に関する項目が盛り込まれた。これらの新評価項目の設定によって、人間の社会活動・経済活動・文化などへの調査・評価も次第に重要性を増していくものと思われる。
「豊かな自然との触れ合い活動の場」
 この項目は、自然と人間がどのように係わっているか、利用しているかについて調査し、評価しようとするものである。環境アセスメントにおいては、どの程度利用しているかを実際に調査したり、景観的利用を行っているかを調査する。自然と人間との関わりには、歴史的な背景も関係があり、そのような歴史的背景も調査する必要があろう。具体的には、その地域において
 ハイキングで何人利用しているか、利用季節はいつ頃が多いか
 風景としてどのような感覚で眺めているか
 そのような自然が改変されることに関し、どのように思うかなどのアンケート調査
などが考えられる。
 なお、歴史的資産に関しては、すでに調査項目としてあげられている場合が多いが、これらに関する人間の心に関する調査・評価は閣議アセス(昔のアセス)では実施されていなかった。

「環境への負荷」
 環境への負荷は、廃棄物関係と温室効果ガスに関する内容が主体である。廃棄物に関しては、一過性の事業である万国博覧会では、半年間利用する建物が開催期間後は廃棄物になるわけであり、建築用材の再利用も含め、大きな課題となっている。一般の開発においても、廃棄物減少に関する努力が強く求められている。
 温室効果ガスに関しては、日本は二酸化炭素発生量節減を強く求められており、6%の削減は国際的公約である。この項目に関しては、エネルギー節約型の建物、事業、さらには交通の効率アップなどが求められることになる。つまり、人間を含めた物質移動に関する効率化によって、エネルギー消費量の少ない地域開発が求められているわけである。

さて、具体論に入ろう。
 人間の行動も含め、理大の環境を評価したい。何気なく生活しているこの空間を、改めて鋭い目で調査し、評価してみたいわけである。求められているレポートは、次の3項目からなる。

岡山理科大学の環境評価
(1)理大の環境評価を行うことに必要な評価項目をリストアップし、簡単に解説せよ。
(2)その中の1つあるいはいくつかを取り上げ、調査方法と(仮想の)調査結果を示し、評価せよ。
(3)岡山理科大学の将来への努力すべき方向について述べなさい。

 (1)のリストアップは、困難な作業ではないと思う。附属高校と大学の教職員、大学院生も含めると、昼間人口約1万人の岡山理科大学の地域において環境評価すべき項目を設定することは、困難ではないであろう。
 (2)では、その中で最も自分が興味を持っている項目、あるいはそれに関連するいくつかの項目について、論じる部分である。現実には、実際に調査することは困難であろう。もちろん、最低限の現実の調査を行うことができれば、最高である。例えば、理大の地図を持って、理大内の植生診断を行うことによって、保護区域に関する提案を行うことは容易であろうし、食堂の利用状況、休み時間の学生の行動状況などから、交通に関する混雑度、安全度、さらには望まれる新設道路などの提案もあり得よう。どこに芝生広場を作ればよいかをアンケーとしても面白い。岡電バスが入り口に来るようになったが、バス経路を考えることによって、利用率がどのように変動するかを予測するかなども、興味ある。 ただし、完全なスクラップ & ドビルド(理大を平坦地にする)等に関しては、廃棄物に関する問題や、工事に関係する温室ガスなども考慮する必要がある。
 これらのデータを十分に評価するためには、多大な労力が必要であり、提出期限までの時間を考慮すると、現実的ではない。調査に関しては、このようになるであろうとの「仮想の調査結果」で良しとする。このデータに基づき、理大を評価し、努力すべき方向性を提言することになる。


提出期限は2月10日夕方までです。  戻る