田の原湿原
中腹から「田の原」を振り返る

 田の原は、その名前が示すように湿原が点在している高原状の地形である。山腹からの伏流水が湿原形成の要因の1つとなっている。
田の原湿原

 田の原には湿原が点在しているが、発達は良好なものではない。基盤を形成している土壌が火山の噴出物であり、透水性が高いために降雨時には水が豊かであるものの、雨が降らないと乾燥しやすい不安定さが、発達を未熟なものにしているものと思われる。
 点在する針葉樹は樹高が低く、霧が出ていないときには快適な森林である。
湿原周辺の植生

 ハイネズの間にコバイケイソウが見える。
湿原の植生

泥がたまり、安定した湿潤状態の場所では、典型的な湿原植生が発達しているが、ミズゴケ類の生育は見られず、未熟な段階にとどまっている。
湿原の植生

 田の原には縦横無尽に木道が張り巡らされており、多様な植生を観察することができる。

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