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岡山理科大学『岡山学』研究会では、これまで「岡山市朝寝鼻貝塚」、「備前焼」、「吉井川」などをテーマにシンポジウムを開催してきました。そして一昨年の第6回シンポジウムからは、「旭川」をテーマとして検討を始めました。その第1回目には「旭川〜流域を科学する Part1〜」として旭川の全般と上流域の蒜山地域を、昨年の第2回目の第7回シンポジウムでは「旭川〜流域を科学する Part2〜」として旭川の中流域の勝山地域から建部地域までを中心に検討いたしました。 そして今年は「旭川」の第3回目として、旭川下流域を対象とすることにいたしました。 まず、地震学が専門の西村敬一さんに、「児島湾干拓地の基盤構造と地震災害」というテーマで、岡山南部に広がる児島湾干拓地の地下がどのようになっているのか、その基盤構造と地震災害の関わりについて述べていただきます。 次に、情報地質学が専門の能美洋介さんに、「旭川下流域の地形」というテーマで、旭川下流域東岸の旭東平野を細かく見るとどのようになっているのかなどについて、地球科学の面から述べていただきます。 3番目に、植物生態学が専門の石川笑子さんに、「岡山市北部の20年間の森林植生変化」というテーマで、岡山理科大学周辺の山々の木々や植物がこの20年間にどのように変化したのかについて述べていただきます。 4番目に、水質が専門の大窪文美さんに、「旭川下流域の河川敷における池と湧水の水質」というテーマで、玉柏地域周辺の旭川流域の水がどのようになっているのかについて述べていただきます。 5番目に、植物生態学が専門の藤谷佳代さんに、「旭川下流域の河原植生の変化」というテーマで、旭川の河原に生えている草木がこの20年間でどのように変化したのかについて、土との関わりも含めて述べていただきます。 最後に、まさに、いま、旭川を管理している国土交通省岡山河川事務所の所長である浦上将人さんに、「旭川下流域における環境保全の取り組み」というテーマで、旭川をどのように管理すれば洪水が起きないのかなどについて述べていただきます。 このように今年は地球科学や生物学系の発表で構成されていますが、岡山理科大学『岡山学』研究会が目指している地域を総合的に検討していこうという考えは十分なされていると思われます。 また、今年も当大学の博物館学芸員課程の学生さんたちによる展示物やポスター発表などが行われます。あわせてご覧いただければ、旭川下流域の自然と歴史などがよりご理解いただけるものと思っております。 |