マツバギク Lampranthus spectabile (ツルナ科 マツバギク属)
マツバギクは南アフリカ原産の常緑多肉植物。和名は松葉菊であり、葉がマツの葉に似ており、花が菊に似ているとの意味。乾燥に強く、初夏から夏にかけ石垣などに垂れ下がって元気に花を咲かせている。園芸品種として改良され、黄色の品種もある。
じっくりと眺めてみると、仲間としては全く違うのであるが、サボテンやよく栽培されている多肉植物との共通点がたくさんある。マツバギクの花弁は光り輝く光沢を持っている。サボテンの花も数日間以上開花するものでは光沢があるものが多い。灼熱・乾燥という環境の中で花を開くためには、余分な熱を吸収しないように光沢があるのであろうと思う。葉は多肉質であり、柔らかいが表面はザラザラしている。水をたっぷり蓄えて乾燥に耐えている。違う仲間が類似した環境に生育して適応した結果、よく似た形態や性質を持つようになる平行進化の例である。
マツバギクは海岸に生育するツルナと同じ科である。海岸と石垣、乾燥というキーワードで括ることができる。