ホソバツルノゲイトウ Alternanthera denticulata R. Br.
 ホソバツルノゲイトウは田の畔や河川の水際といった湿った環境を好んで生育する熱帯アメリカ原産の一年草。茎は匍匐しながら斜上し、密に分枝してほぼ無柄に近い葉を対生につける。葉が細長い点が特徴であるが、直径3mm程度の花序を葉腋につけるのが同定のポイントとなる。
 川辺でノゲイトウやメリケンムグラと混生しているのを見つけた。周囲が最近浸水したらしく、砂が堆積していたが植物体は健全であった。増水により流される、ということがないのかもしれない。花期は夏から秋にかけてで、台風の時期と重なっている。増水時に種子を散布させて分布を拡大する戦略なのだろう。
 岡山県では特定外来生物であるナガエツルノゲイトウの帰化が報告されていないが、近縁種である本種が河川の在来植物にとって脅威となる可能性がある。
ホソバツルノゲイトウホソバツルノゲイトウ
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文章・画像:瓜生真也
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