ハリギリ Kalopanax septemlobus (Thunb.) Koidz.
 ハリギリは日本全国、中国、朝鮮に分布する落葉高木。ブナ林や照葉樹林、二次林の林内に生育する。小さな幹や若枝には鋭い刺があるが、大きく育つと脱落する。葉柄は長さ10〜30cmで枝先に互生しながら集まってつく。葉身は掌状に切れ込み、5〜9裂する。葉は秋から冬にかけて黄葉して落葉する。
 初夏、枝先に散形花序を多数出して開花するが、花が目線よりも高い位置につき、葉に遮られているためになかなかお目にかかれない。果実は黒く熟し、落葉後も残る。
 刺があるので、和名に「ハリ」がつくことは連想できたが、感覚的には「ハリヤツデ」という印象だった。本当の名前は、材がキリのように良質であり、針のような刺があることからハリギリという。なお成長した樹皮や枝には刺がないので注意が必要である。
ハリギリの葉 ハリギリ
ハリギリハリギリ
ハリギリハリギリの果実

文章・画像:瓜生真也
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