ヒメカンアオイ Heterotropa takaoi (ウマノスズクサ科 カンアオイ属)



 ヒメカンアオイは本州、四国に分布する常緑の多年草。カンアオイの仲間としては小型であり、ヒメカンアオイの名がある。種子がアリによって運ばれて分布を拡大するので移動速度が遅く、地方によって様々な種に分化しており、お互いによく似ているので、花がないと同定が困難である。カンアオイの仲間はやや日照が制限された谷筋などの水分条件の良好な場所に生育していることが多い。乾燥は苦手のようである。
 カンアオイの仲間は絶滅が危惧される種に指定されていることも多いが、危急種に指定されているギフチョウの食草としても注目され、保護の対象にされることが多い。この画像もギフチョウ保護のために保護されている(?)地域において撮影したものである。残念ながら、開花は観察できませんでした。観察では、ギフチョウは産卵したものの、あまりふ化せず、葉はほとんど食べられていない。カンアオイの保護には成功しているが、ギフチョウの保護にはまだ十分ではないことになる。難しいものである。
ヒメカンアオイヒメカンアオイ
ヒメカンアオイの葉(裏面、もっと紫色のものもある)ヒメカンアオイの群落(あまり食べられていない、ギフチョウの保護にはなっていないか?)

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