ミヤマハンノキ Alnus maximowiczii (カバノキ科 ハンノキ属
 ミヤマハンノキは北海道・加賀白山以北の本州に分布するが、飛び離れて鳥取県大山山系の烏ヶ山山頂に隔離分布している。亜高山帯から高山帯に生育し、ダケカンバ林の林床やウラジロナナカマドと低木林を形成する。雪崩の多い斜面などの最も厳しい立地にも生育できる。最も厳しい環境では低木、やや環境の良い場所では5mを超える小高木になる。
 葉は広卵形〜卵円形で長さ5〜10cm。先は尖り、基部はやや浅心形。表面は無毛であるが、裏面は脈上・脈腋に毛がある。側脈は8〜12対。花は5〜7月、葉の展開と同時に開く。雌花序は新芽の先に数個つく。

 鳥取県の烏ヶ山は標高1448mであり、山裾はなだらかであるが山頂付近は急峻な地形となっている。溶岩円頂丘であるといわれ、その山頂付近にわずかにミヤマハンノキが生育している。亜高山帯といえるほどの標高ではないが厳しい環境であることには違いなく、、氷河期に生育していたものが崩壊しにくい堅い岩盤の山頂に残存したものではないかと思われる。
ミヤマハンノキ(木曽御嶽山)
ミヤマハンノキの球果ミヤマハンノキの葉


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