ウチワサボテン Opuntia ficus-indhica (サボテン科 オプンティア属
 ウチワサボテンは入手が簡単であったので、昔からなじみのあるサボテンでした。強健で放置しておいてもどうにか生き延びて春になると元気さを回復してくる。野生化しているものもあり、目に付くようになって調べてみるが、どうもきれいに割り切れない。ウチワサボテンで検索するとOpuntia ficus-indhicaが学名であると出て、今度は学名で検索するとオオガタホウケン(大型宝剣)の名前が出てくる。ウチワサボテン=オオガタホウケンと記載されているサイトもあり、別であるとの意見のサイトも学名は同一であったりする。

 学名はインディアンのイチジクウチワサボテンということになる。原産国のメキシコなどでは重要な果樹であると同時に家畜の飼料であるという。ネット上ではピクルスにしたり、サボテンステーキなどの利用もあるようで、ぜひとも試してみたいものです。果実にしろ茎にしろ、食用ということになれば棘の少ないものへと改良がなされるわけで、インディアンイチジクウチワは食用の品種から棘を利用して生垣にするものまでの変異があるということなのであろう。

  千葉県銚子の海岸にはウチワサボテンが野化しており、なんともエキゾチックな景観をかもし出している。たくさんの果実が稔っていたが、棘に阻まれてゲットできなかった。理科大の研修施設がある瀬戸内市前島の海岸にも野化した群落があるが、こちらはほとんど棘がないトゲナシウチワサボテンである。旭川の堤防に野化しているものもこのタイプ。これらも学名としてはO. ficus-indhica に同定されている。
銚子犬吠埼に生育す るOpuntia ficus-indhica

岡山県瀬戸内市前島の海岸に生育する Opuntia ficus-indhica 岡山市旭川の堤防石垣に生育する Opuntia ficus-indhica

ウチワサボテンで納得するタイプ 岡山市半田山植物園で大型宝剣と名札が付いているもの

 サボテンの仲間の花は輝く花弁がたくさんあって美しい。 オオガタホウケンに関してみれば、ネット上の記載や文献などを見ると、花色は橙色、黄色、白色があるとの記載もあるが、オオガタホウケンは橙色の花を咲かせるが、その家畜飼料として改良されたバーバンク団扇は黄色との記載があるサイトもある。簡単に交雑するらしく、変異の幅も広いのであろう。因みに、小生が確認できたのは黄色の花のみであった。 

 果実については、細長いイチジク型のものに出会うことが多かったが、畑の片隅に植栽されているものでは丸々と太った球形に近いものがあった。果実を収穫するタイプの品種なのかも知れないと観察していたが、住宅地となってなくなってしまったのは残念でした(一度食べたかった)。これはもう、熟したイチジクである。

 

 

 

 ウチワサボテンの葉といってしまいそうだが、茎であって、葉は退化している。切ってみると表層には葉緑素が多い部分があり、ここが光合成を担っているのであろう。中心部は多孔質のようで、水分などの貯蔵にも貢献手居るようだ。葉は退化しているが、葉が出る部分は棘座となっている。棘には2種類あって、大きくて鋭いものと小さくてすぐ抜ける棘た多数出ている。飼料用、食用では大きな棘がないか、ほとんど無いトゲナシウチワサボテンである。



大きな棘で武装している(銚子) 大きな棘は無いが、小さな棘はたくさんある。
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