サボンソウ Saponaria officinalis (ナデシコ科 サボンソウ属
 初夏から盛夏にかけてはナデシコ科の植物が目につく。時折、道路の法面や道端にやや大きな桃色の花を咲かせるナデシコが生育していることはずいぶんと前から気づいていたが、栽培品が野生化したのであろうとあまり注意をしてこなかった。公園の花壇を除草していると、ナデシコ科の芽生えがあった。根茎から出ているようで、昨年は見なかったので誰かが植えたに違いない。どんな花が咲くのか、楽しみにしていたらこの花であった。
 6月の中頃から咲き始め、7月に入ると花よりは果実に力を注ぐように見える(つまり園芸品種というより、野生種に近いのであろう)。花は薄いピンクで夏に咲くものは赤色が濃くなるものが混ざる。おしべの葯も薄い色で目立たないし、すぐに脱落してしまうようでアクセントにはならない。葯が濃い色であったら、もっときれいなのに、と思います。
 ヨーロッパに広く分布する多年草で、日本には園芸品として導入された。学名を見ると、属名はサポニンですね。植物体にはサポニンが含まれており、煮出すと石鹸液ができ、現在の石鹸ができる前は洗剤として利用されていたとのこと。英語名も Soapwort 。薬効もあるとともに、毒性もあるそうで、注意が必要です。
サボンソウ Saponaria officinalisサボンソウ Saponaria officinalis
おしべの葯が落ちた花サボンソウの花
サボンソウの葉葉裏面の拡大
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