ツメクサ Sagina japonica (ナデシコ科 ツメクサ属)
ツメクサは日本全国に生育する一年生草本。中国からヒマラヤなどにも分布する。路傍や庭、畑などに生育している。図鑑には高さ15cmになると記されているが、地面に張り付いた小さな姿をみることが多い。和名のツメクサは、葉の形が鳥の爪のような形をしているからであるという。
岡山市にある岡山県庁付近の旭川堤防上はレンガが敷きつめられた歩道になっている。このレンガとレンガの隙間に、目立たないがツメクサがたくさん生育している。人があまり歩かない植栽枠の横では少し大きくなるものの、人がよく踏む歩道の中央部分では、コケのサイズで開花・結実している。開花期は3月から初夏であり、一年草ではあるが年中生育している。
ツメクサは小型でも生育できる能力によって、他の高等植物が生存不可能なわずかな隙間にも生育が可能であり、この環境を独占している。大きいばかりが能ではないよ! とでも言いたげである。