トクサバモクマオウ Casuarina equisetifolia (モクマオウ科 モクマオウ属
トクサバモクマオウ Casuarina equisetifoliaトクサバモクマオウ Casuarina equisetifolia

 ハワイオアフ島の丘にモクマオウが植栽されていた。沖縄や中国本土の海岸などによく植栽されているので、そこそこなじみがあった。現地のガイドさんはIronwoodと紹介していた。材質が堅いことによって鉄木と呼ばれる木は結構あり、この樹木もその1つである。ハワイでは、その堅さ故に武器に加工したそうである。ガイドブックの学名からは、モクマオウの中でもトクサバモクマオウと呼ぶべきものであることがわかった。昔、奄美大島での学生実習でトキワギョリュウと教えられたものがあったが、これと近縁らしいが混乱もあるようであった。

 トクサバモクマオウは枝がまるでトクサのようだ、という種小名を受けての名前であろうが、まさしくスギナとかトクサの仲間のような姿である。東南アジアからオーストラリア北部にかけてが自生地らしい。英語名はAustralian pine tree、beach sheoak、horsetail tree、Australian beefwood 、mile tree 、South Sea ironwood 、common ironwood 、swamp oak、scaly bulk oak、whispering pine。名前としては、丈夫さに着目した鉄木(ironwood)、樫(oak)、姿や果実が裸子植物的であることに着目したpine、姿に着目したhorsetail、生育地に着目したbeach、swampなどで本種の一面をそれぞれ良くあらわしている。

 針葉樹の様相であるが被子植物であり、ブナ科とかカバノキ科と比較的近縁である。トクサ状の枝の先端に雄花が付き、基部に雌花が付く。雄花が付いた枝は枯れるのではないかと思うが、定かではない。塩分に対して強い抵抗力を持っており、海岸の砂浜やラグーンなどでもよく生育する。原産地は南西太平洋諸島とのこと。

トクサバモクマオウ Casuarina equisetifolia
枝から出た小枝小枝の拡大トクサバモクマオウ Casuarina equisetifolia の球果トクサバモクマオウ Casuarina equisetifolia の樹皮
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