モモタマナ Terminalia catappa (シクンシ科 モモタマナ属) |
沖縄島では、公園の駐輪場などに横に枝を伸ばした広い葉を持つこの木が植栽されている。この木の木陰でマージャンなどをやっている風景は南国らしい。太陽高度が高い地域では横に枝を伸ばす樹形が光を受けるのに適しており、そのような例の1つがこの木の樹形であろう。
モモタマナの葉は長さ20cm以上もあり、大きくてつややかで、春から初夏にかけては美しい。つまり、春にいっせいに新しい葉を出す。冬には赤く紅葉し、新芽時に落葉するので、常緑的であるが葉の寿命は1年未満ということになる。半落葉性という表現になる。 花は5月から7月にかけて咲き、長い穂状の花序を出す。先端側には雄花が付き、根元側には両性花が咲く。花序の中軸は長く残って、果実の間から出ている。
果実は早いものでは7月ごろにはできており、冬にも樹上に残っている。果実の中心には大きな種子があり、これがちょうどモモの種の大きさで、よく似ている。これが「もも」なのか、果肉がほんのり甘いから「もも」なのか、どうなんでしょう(2017.10;林談)。オオコウモリが食べに来るそうで、自然的には海に浮かんで分布する水散布である。
冬の紅葉は、常緑樹の世界である沖縄ではよく目だって面白い。この時期にも果実が残っており、オオコウモリには貴重な食料であろう。太平洋の島々などに広く分布し、英語名はIndhian Almond 。 |