タイトゴメ Sedum uniflorum subsp. oryzifolium (ベンケイソウ科 マンネングサ属)



 タイトゴメは関東地方以西の本州・四国・九州・奄美大島、朝鮮半島に分布する多年草。海岸の岩場に生育する。葉は多肉質の円柱形で、茎に密生して付く。日当たりの良い場所や冬季には赤くなることがあるが、通常は緑色。花の枝は短く、茎の上部に密生して付く。岡山県でも海岸の岩場に生育することが報告されているが、自然海岸の少ない岡山県では稀。これ以上の説明は清末氏からのメールに任せよう。
海岸岩上に生育するタイトゴメタイトゴメの花
タイトゴメの群落(開花中)岩壁に発達しているタイトゴメの群落
 2002/6/3撮影、場所:鳥取市白兎海岸です。今年は、植物の暦がはやく、海岸植物も花盛りです。海岸の岩場では一番海寄りに生育しています。軸や葉の色が気になるところですが、群落を形成している個体は、赤色の部分が少ないか無く、岩の割れ目などに単独で生育している個体は赤い部分が目立つようです。人の入らない海岸の岩場では、タイトゴメが時にマット状の群落を形成しています。白兎海岸の淤岐ノ島(おきのしま)もそのような場所で、黄色く見えているのはタイトゴメの群落です。
 語源はタイトウマイという米だそうですが、よくわかりません。私は、茎の先端のギュウギュウに詰まった、多肉質の葉から「tightゴメ」を提唱したいのですが、却下でしょか? (画像・文章:鳥取県立博物館学芸員 清末幸久)

海岸の植物

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