ツルグミ Elaeagnus glabraグミ科 グミ属)
 ツルグミは関東地方以西の温暖な地域に生育する常緑のツル性低木。明るい二次林で、特に低地・沿岸域に多い。グミの仲間としては端正な葉であり、美しい。グミの仲間の幹はあまり太くならず、生長すると他の樹木に寄りかかる傾向が高いが、ツルグミはその中でも幹が細く伸び上がって、他の樹木に寄りかかる。通常のツル植物のように巻き付いたり気根で付着することはせず、所々にある棘で引っかかる程度である。崖などでは垂れ下がって生育することも多い。葉の表面の星状毛は早期に脱落するので、表からはグミ特有の星状毛が見られないことが多い。葉の質は革質で、ナワシログミのごわごわ感に比べてやわらかい。
 岡山県では比較的少ない植物であり、生育地は発達の良いアカマツ林や明るい谷沿いなどであり、生育にはある程度の好適な水分条件が必要であるように思われる。耐陰性はあまり強くないようで、マツ枯れ直後には増加する兆しを見せていたが、近年は植生の回復に伴って、減少しているのではないかとの印象を持っている。
ツルグミツルグミ
ツルグミの表面の星状毛は脱落しやすいツルグミの裏面:星状毛が密生する。

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