フサザクラ Euptelea polyandra (フサザクラ科 フサザクラ属)
フサザクラは本州から九州に分布する落葉高木。谷の源頭部や崩壊地、河原などに群生して群落を形成する。土石流などに押し倒されると地下に埋もれた幹から多数の地上茎を出して再生する。このような性質により、急傾斜の渓谷などで群落を形成できるのであろう。葉は6〜12cmと大きく、長い葉柄を持っている。3〜4月、葉の展開に先だって暗紫色の花を咲かせる。花は花弁や顎がなく、多数の雄しべが垂れ下がって咲くので、フサザクラの名前が付いた。果実は扁平で秋に黄褐色に熟し、風で散布される。