チシマフウロ Geranium erianthum (フウロソウ科 フウロソウ属) |
チシマフウロは本州北部から北海道に分布し、世界的にはシベリア東部から北アメリカ北部にかけて分布する。この仲間はよく似ており、区別が付きにくい種がたくさんある。ヨーロッパやカナダなどでもチシマフウロとそっくりのフウロを見かけるが、近縁な種ではないかと思う。 チシマフウロは高山帯に生育する種であるが、礼文島では海抜100m付近でも時折出現する。風の強い斜面や、山道沿いの草地に生育が見られる。葉の直径は5cmから10cmほどであろうか。円形で5〜7つに深裂する。花は7月から8月に咲き、紅紫色で直径2.5cmほど。中心の雄しべは濃紫色で花にコントラストを与えているが、早期に脱落してしまうようである。強風に耐えて生育する清楚な花は、千島の雰囲気にふさわしい。 |
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