シナノオトギリ Hypericum kamtschaticum var. senanense (オトギリソウ科 オトギリソウ属)
 シナノオトギリは本州中部の高山に生育する多年草。岩陰などに群生して美しい花を咲かせていた。オトギリソウの仲間の葉を透かしてみると、黒い点があったり、光がよく通過する明点があり、重要な区別点の一つとなる。本種は葉の縁に黒点が並び、葉の中央にはごく少数の不明瞭な黒点と明点がある。花弁は部分的にうっすらと赤みを帯びている。
  よく似た種にイワオトギリ var. hondoense がある。画像のものは木曽御嶽で撮影したものである。採取できないので完全な同定作業が行えたわけではないが、イワオトギリは日本海側に分布する傾向があること、顎片に黒点と黒線があり、縁には黒点がないこと、花が大きく、紅色を部分的に帯びること、草丈が20cmを越えていたことなどからシナノオトギリとした。
シナノオトギリの花シナノオトギリの成育状況
シナノオトギリの花咲き終わった花(顎片に黒線と黒点が見える)
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