マルバマンサク Hamamelis japonica var. obtusata (マンサク科 マンサク属) |
マンサクの仲間は花が咲いている時期には葉がなく、葉を観察できる時期には花がない。「花は葉を見ず、葉は花を見ず」であって同じ木を早春と夏に監察しなければならないので、なかなか良い画像を得にくい。岡山県森林公園では、雪解け時期に行くと園路に倒れ掛かった潅木が添え木を当てられて起こしてある。邪魔になるが、伐採せずに助けてやるのは森林公園らしい。このような作業は毎年のことであり、園路付近の特定の木なのである。いくつか樹種があるが、マルバマンサクはその代表である。マルバマンサクの材は粘り強く、雪に覆われて曲げられても折れず、春には立ち上がってくる。逆に言えば、森林と湿原の境界部のような、ギャップに生育することを得意としており、雪で折れてしまう樹木を尻目に得意技を発揮している。 マルバマンサクは北海道から日本海側、鳥取県まで分布する落葉低木で、多雪地帯に適応している。名前の由来は葉の形に由来しているが、葉全体が丸いというより、先端が円頭であるという意味なのであろう。花の色は薄く、黄色とクリーム色の中間であり、残雪を背景に咲いているときなどは、花が咲いている、と指摘されなければ見逃してしまいそう。花の色は薄い黄色から萼が紅色を帯びるものもある。両者を掲載しておく。岡山県立森林公園では、ほとんどが黄色の個体であった。 |
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