マルバニッケイ Cinnamomum daphnoides (クスノキ科 ニッケイ属
 屋久島の海岸、満潮水位より数m高い場所であろうか、崖上に黒っぽい樹木の生育が見えた。葉が丸いのでウバメガシ?と近寄ってみるとまるで違った。葉は円頭で厚ぼったい。裏面は絹毛が密生しており、ビロード感がある。葉の表面は毛が散生し、これは落ちやすいのかもしれない。三行脈があって、果実はドングリのごとく、帽子がある。クスノキ科のようであり、葉を揉んで見るとそのような香りがする。しかし、こんなのは見たことが無いぞ!

 マルバニッケイは九州から沖縄に稀に生育する常緑樹とのこと。クスノキの仲間は沿岸低地に多いような印象があるが、マルバニッケイはその最右翼である。葉は上向きに付き、強い直射日光を半減させ、気孔がある裏面は絹毛で潮風による影響を低減させ、さらに裏面を保護するかのよう二葉が丸まっている。海岸に生育する樹木としてよく適応した葉の構造と成っている。
マルバニッケイの生育状況 マルバニッケイ

内巻きするマルバニッケイの葉 マルバニッケイの葉の裏面

表面の毛は散在 裏面は絹毛に覆われている

マルバニッケイの若い果実 マルバニッケイのスムーズな樹皮海岸の植物
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