クサネム Aeschynomene indica (マメ科 クサネム属) |
クサネムは比較的大型の1年生草本。アジア・アフリカ・オーストラリアの温帯から亜熱帯に広く分布する。放棄水田や沼沢地、河川などに生育する。茎は太く、草丈は1mほどになる。8月から10月にかけ、小さな淡い黄色の花を咲かせる。 クサネムは、水田の中で群れを作って生育していることが多い。地下茎で増えるのか? しかし、どうやら違うようであった。田植えが終わった田圃、田植機が回転した場所の土が盛り上がって水面から出ていた。その場所にたくさんのクサネムが芽生えてきた。どうやら、発芽に酸素を必要とするらしい。丁寧な代掻きが雑草の繁茂を抑えていることになる。 |
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日曜日の夕方、ぶらりとデジカメを持って自転車で散策にでた。クサネムが放棄水田に生育していたので、かなりシャッターを押した。なんだか不自然・・・・ 葉が全て夕日に向かって横を向いているのである。オジギソウほどの素早い運動ではないであろうが、小葉だけではなく、葉全体を忠実に日光に直角に向けている。
毎日、かなりのエネルギーを使ってでも葉を太陽の日周運動に従って動かすことは、それなりのメリットがあるのであろう・・・と眺めていると、太陽が西の山の稜線に沈んだ。まだ上空は大変明るいにも関わらず、直射日光が到達しなくなったとたん、クサネムは葉を閉じ始めた。みている間、ほんの数分で、小葉は向きを変え、折りたたまれてしまった。クサネムの葉は、夕方の5時に就眠してしまったのである。クサネムの葉は日周運動と就眠運動、かなりの運動量である。花を探してみたが、全て閉じている。すでにお休みになってしまったのである。草でありながら、ネムノキと同様に寝てしまう、というのが名前の由来であろう。 |
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