メドハギ Lespedeza juncea (L. fil.) Pers. var. subsessilis Miq. マメ科 ハギ属



 メドハギは日本全国の痩せ地に生育する多年生草本。中国や朝鮮など東亜に広く分布する。葉は3つの小葉からなり、頂小葉が最も大きい。茎は丈夫でやや木化し、高級すだれなどにも利用された。
 和名は「めどぎはぎ」の略で、占いの一種である筮竹(ぜいちく)を「めどぎ」といい、これの代用に利用したためという。




 メドハギは、春は直立した単幹であるが夏から秋になると枝分かれして繁茂する。緑化に利用され、法面に吹き付けられる。マメ科植物であり、根に根粒を持っているので、空中窒素の固定能力があり、痩せ地の緑化に適しているからである。種子は主に朝鮮や中国から供給されており、日本のメドハギとは同種ではあるものの、遺伝子の攪乱などの問題点が指摘されている。
 種としては同種であっても、地方によって遺伝的な違いや性質の違いがある。中国や朝鮮のメドハギが導入されると、在来のメドハギとの交雑する。日本の気候に適したメドハギに異なった遺伝子が加わるとどのような影響が出るであろうか。雑種強勢によってメドハギのバイタリティが高くなれば、これと競合する植物およびこれに関連する生物群に影響が出る。また、植物体に含まれる成分や花の構造などに変化を生じると、関連した生物群に対して影響が出ることになる。メドハギに関してはすでに遅いかもしれないが、遠隔地からの生物の移入は慎みたいものである。



種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる