ソラマメ Vicia faba (マメ科 ソラマメ属
 ソラマメは中央アジアから地中海が原産と考えられる越年性の一年草。若い豆果は塩ゆでして、熟した豆はいり豆、煮物、甘納豆などに使われる。秋に播種し、春から初夏に収穫する。茎は太く、断面は四角形で稜があって中空。葉には巻きひげが無く、先端に小葉がない偶数羽状である。花は比較的大きく、白地に赤紫色の斑紋がある。豆果は上方に向かってでき、その様子を「空に向かって」という意味で、ソラマメと名付けられたという。
 自立できる点や豆果が上に向かって付く点は、ツル植物が多いマメ科の草本としては、例外的な存在であろう。その秘密の1つは、太い中空の茎にあるのだが、茎の稜が強度アップに大きく貢献している。茎全体を太くするよりも、茎の一部を張り出して補強する方が、経済的なのである。
 染色体は2n=12で植物としては少ない方で、しかも大きい。高性能の顕微鏡でなくても染色体が観察できるので、教材としてよく利用される。
空豆の花と稜のある茎ソラマメの若い豆果
ソラマメソラマメの葉:偶数羽状複葉
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