トリフォリウム・バディウム Trifolium badium (マメ科 シャジクソウ属
 シロツメクサの仲間であることは確かなのだが、茶色く変色してしまった花ばかりが目立ち、整った花がなかなか見つからない。既に花の時期が終わりなのか・・・と思いつつとりあえず撮影しておいた。帰って調べてみるとドイツ語では Braun-Klee:茶色のクローバーであり、花はすぐに茶色に変色するらしい。草丈は高さ20cmほど。葉は根出葉は数cmの柄があり、茎葉には短い柄があって3出葉。花は7月から8月に咲く。一つの花序を見ると、基部の花は既に褐色に変色しつつあるのに中心部にはまだ小さなつぼみがある。厳しい環境条件の中で、確実に種子を形成するために、次々と時間を変えて花を咲かせているものと思われる。人間の眼には枯れてしまった花序ではあるが、昆虫には近くに花が咲いていることの目印に映るのかもしれない。スイスでは、海抜800mから2700mに生育する。
中心部には小さなつぼみが、しかし周辺はすでに枯れつつあるTrifolium badiumの花序
茶色に変色した花序と新しい花序根出葉
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