マツグミ Taxillus kaempferi (ヤドリギ科 マツグミ属
 マツグミは関東地方以西の本州・四国・九州に分布する常緑樹で、アカマツ・モミ・ツガなどのマツ科の樹木に寄生する。松枯れ病によってマツが枯れる前は珍しい植物ではなかったが、マツが少なくなってしまった現在では、見つかることが少なくなってしまった。マツグミは緑葉を備えているので自ら光合成する能力はあるが、水分や無機栄養塩類に関しては着生している寄主からいただいている。寄主が常緑植物であるので、尾根筋などのような日照が得やすい場所の樹木に寄生する。
 葉は革質で厚く、長さ1.5〜4cmで先端は丸く、ヘラ型。いつも散歩する山道のアカマツにマツグミが付いている。蕾が次第に大きくなるので開花を楽しみにしていた。7月31日に行ってみると、満開といった状況であった。7月から8月にかけ、花序を伸ばして数個の花を付ける。花は赤色で、花被の先端は4つに分かれ、上方に反り返る。果実は楕円形で長さ5mm。これも赤色に熟す。果実が付いているとわかりやすいが、常緑のアカマツに常緑のマツグミでは、注意してみないと存在がわかりにくい。
アカマツに寄生しているマツグミマツグミ
マツグミの葉マツグミのつぼみ
マツグミの花 7/31マツグミの花
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