タムシバ Magnolia salicifolia (モクレン科 モクレン属)
 タムシバは本州以南の日本各地に分布する落葉の小高木。温帯から暖帯の山地に生育し、コブシに先駆けて白い花を開く。尾根などのやや乾燥した場所にもよく生育し、マツ枯れの激しい場所では群生してヤマザクラと同時に春の山を彩っている。アカマツが枯損したために生育条件が良くなり、大きく生長して開花したものと思われる。
 花は4月の初旬、葉の展開に先立って咲く。花弁は6枚、顎片は3枚で白く、小さな花弁のように見える。葉は広被針形で細長く、長さ6〜14cm。コブシとよく間違われるが、タムシバの葉は中央部で最も幅が広いが、コブシはタムシバに比べて幅が広く、先端に近い場所で最も広い点で異なる。
 タムシバの枝や葉は噛むと甘いので、サトウシバやカムシバの別名もある。タムシバはカムシバがなまったものである。
マツ枯れ跡地に咲くタムシバタムシバの花
タムシバの花タムシバの枝
タムシバの葉:細長く、中央部が広いタムシバの頂芽
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